今日は宇賀神先生の「使い魔」のお話を。
使い魔と申しましても、お金を浪費する人のことではありません。
先生に仕えてくれている、目に見えない働き手のことです。
それは例えば、先生が昔飼ってらっしゃった猫だったりします。
この猫たちはかつて生きていて、亡くなった後も先生のことが忘れられず、この世に留まり先生のために色々と働いてくれています。
使い魔は洋の東西を問わず、昔から存在していました。
西洋で有名なのは魔女の黒猫やフクロウ。
映画「魔女の宅急便」でも主人公の女の子に黒猫のジジがいるのは、魔女の使い魔に黒猫が多かった表れです。
魔女は死んでから後に使い魔にするために、猫を飼っていた(らしい)のです。
魔女とよばれる人達は存在しましたが、それは何もハリーポッターのようなファンタジー的魔法を使っていたのではありません。
占いをしたり、野草などを煎じて薬を作ったり(これが後にハーブと呼ばれます)、普通の人のあまり知らない”祈祷”などの方法で治療することを生業としていた人達のことです。
多分、日本の忍者が普通の人より少し身体能力や技術に長けていて、地道に諜報活動を行っていたのが、歴史の経過とともにさも魔法のような忍術を使っていたイメージにすり替わったのと同じかなと思います。
また、魔女の祈祷はキリスト教以外の宗教にもとづいていたため、キリスト教からは異端者・邪教者として追われていき、そのため邪悪な怖いイメージも加わったのかも知れません。
(と申しましても私は魔女の本質を詳しく知りませんので、推察の域を出ませんが。ごめんなさい。)
魔女狩りで多くの魔女と呼ばれた人達とともに、使い魔として恐れられた猫達が殺されたため、ネズミを捕る猫が減り、ヨーロッパでペストがまん延したという説もあると聞きます。
日本で有名な使い魔なら、例えば安倍晴明の「一条戻り橋の鬼」という式神、ちょっとマイナーですが知る人ぞ知る「飯綱使い(いづなつかい)」など。
色々と便利に働いてくれる目に見えない存在は昔からたくさんあったようです。
さて、宇賀神先生の「使い魔」、じつは猫だけでなく他にもたくさんいるのですが、今日は猫について。
この猫ちゃんたちの得意技は探し物です。
例えばご相談者様で以前、「自社の株券が見つからない」とおっしゃった社長さんがいらしたそうです。
まだ紙の株券があった時代、社長さんですから自社の株券がなくなるのは一大事。
血眼になって探しても見つからず、真っ青になって先生に泣きついて来られたそうです。
先生はその方に、「株券を再発行する手続きの用紙に記入だけしなさい。そして、いいかい、その用紙はまだ提出するんじゃないよ。書くだけ書いて、提出せずに一週間待つんだよ。一週間たったら、ここは探したと思うところももう一度探してみて。」と言いました。
そして猫ちゃんたちを派遣し・・・果たして一週間後、株券は出てきました。
しかもその社長さんが何度も何度も探した金庫の中から。
「先生、私の金庫なんて小さいんですよ。私は頭を中に突っ込んで何度も見たんですから、この金庫の中から出てくるなんてあり得ません。」
とおっしゃっていたそうです。
株券は一体どこに雲隠れしていたのか?猫ちゃんたちはどこから出してきたのか?分かりませんが、とにかく無事に株券がでてきて社長さんは首をかしげながらも大喜びだったそうです。
(その2に続く)
合掌