花の袈裟をまとって

宇賀神先生が阿字のふるさと(佛様のもと)へ還られました。

今年、2023年4月11日のことでした。

あまりにも突然のことで、そしてあまりにも宇賀神先生らしい安楽な、それでいて大往生なご帰還でした。

ただあまりにも早すぎるご帰還であったことは、何故、と今でも思います。

宇賀神先生を長くご存じの方、とくに昔から勉強会に参加されている方でしたら、

「先生の言ってはった通りや・・・!」

と思わざるを得ない、ある意味予言通りの亡くなり方でもありました。

ですがもちろん、私にとりましてはあまりにも突然すぎて、あまりにも悲しすぎる出来事で、そのときは後にも先にもただ一度だけ、

「地獄のような日だ。」

という嘆きに押しつぶされる思いでした。

いつもいつも、この世こそが天国でありがたいと幸せにひたりながら日々暮らしておりましたのに。

その私が「地獄」と思ったのは、生まれて初めてでした。

ですがやはり、この世は地獄ではないよと、その後すぐに宇賀神先生に教えられました。

葬儀のときに、最後に棺に花を入れていきますよね。

まず最初に宇賀神先生のお顔の周りに皆で花を飾りました。

それから喪主である私に真っ白の綺麗な胡蝶蘭が手渡され、それを宇賀神先生の胸の上に置きました。

その後次々とすべての花を身内の皆で棺に入れていったのですが、最後に見ますと、その花がちょうど僧衣の袈裟のように、左肩から右脇へと流れるようだったのです。

最初に胸に置いた胡蝶蘭を斜めに置いたのですが、その後皆がそれぞれに入れていってくれた花が偶然、胡蝶蘭の斜めの流れに続いていったようでした。

もちろん、無意識だと思います。

私ももちろん何も考えられず、ただただひたすら綺麗なお花で宇賀神先生を包んであげるために、ありったけの花でたくさんたくさん飾ろうとしただけでした。

ただ、それだけでした。

それが、すべての花で埋めつくされた後にふと見ますと、なんとも幸せそうな穏やかな綺麗なお顔で、まるで花で織られた美しい袈裟を身にまとっておられるようで、そしてお顔の周りも身体もすべてたくさんの綺麗な花に囲まれて。

そう、まるで、優しく美しい佛様の像を見るようでした。

「ああ、宇賀神先生はいいところへ還られるんだ。佛様そのものになられるんだ。」

そう思いました。

その気づき以来、宇賀神先生は私の護り本尊様です。

私は一人になったわけじゃないと知りました。

「これからも二人で一緒に幸せに生きていこう。」

そう、宇賀神先生に約束しました。

合掌