「宇賀神先生の夢は何?」
と尋ねたことがございました。
「もしもこれをしなかったら、すごく心残りになるっていう夢はある?」
と。
そうしましたら、宇賀神先生が
「世界中の博物館を見に行きたい。」
と、おっしゃいました。
なんていい子なんでしょう・・・!
と、思わず小さい子を持つお母さんのような気持ちになってしまいました。
この子に広い広い世界を見せてあげたい!と。
まあ、ワタクシがそのように思わなくても宇賀神先生はご自身でも、ちゃあんと今までも広い世界をご覧になってきてるのですが(‾∇‾)
宇賀神先生は、博物館が大好きです。
日本全国を旅しましても、旅先で必ず
「ここにはΟΟ博物館があるんだよね。(見に行きたいんだよね。)」
と、おっしゃいます。
よくもまあ全国の博物館を覚えていて、それをまた何度も見に行きたがるものだといつも感心するのですが。
そしてまた、旅先で歩いているときに偶然、博物館とは呼べないような規模の資料館(入館料が無料だったり、100円くらいだったりするような小さな規模の)に出会いましたら、必ず入ろうとなさいます。
もともと博物館がそんなに好きでもない私からしましたら、ここの展示物の何が面白いの?と言ってしまいそうな小さな小さな資料館でも、ご覧になった後は「面白かった」とおっしゃいます。
お母ちゃんには、理解できひん面白さやね(^-^;)
ちなみに、そんな宇賀神先生が今、図書館で借りて読んでらっしゃる本が、「栃木県 郷土歴史資料事典」。
まさに、「読む博物館」ですね。
何か必要なことを調べるために事典をもちいてらっしゃるのではなく、物語か何かのように全部を読み進めていらっしゃるのです。
私なら読み始めて数分で眠りに落ちそうな本です(本と書いて睡眠薬と読む(^-^;))
ですが、そんな博物館の面白さを理解できなかったワタクシにも、衝撃の出会いがございました。
始祖鳥の化石です。
東京の国立博物館に、始祖鳥の化石がやって来て、それを宇賀神先生と見に行ったことがございました。
「これ、教科書で見た・・・!」
私にとりましては、忘れられない衝撃の出会いとなりました。
本で習い覚えていた知識が現実となって目の前に現れた喜び、という衝撃でした。
知的興奮とでもいうのでしょうか?
鳥が好きということもありましたが、教科書で見た知識と現実がつながり、また恐竜の時代・化石という過去と現在(の鳥への進化)がつながった瞬間でもありました。
点と点がつながって線になって、それが面になり、やがて立体に展開していく面白さ、って例えると余計わかりにくい表現でしょうか。
宇賀神先生が博物館がお好きな理由が、少しわかった気がいたしました。
宇賀神先生の頭の中には、驚くほど雑多な知識が山ほどつめこまれています。
法律みたいな小難しいことから、歴史、地質学も大好きで、兵器や戦闘機、電車も大好き、その他色々、さらにはどうでもいいような(失礼!)雑学の果てまで。
その数えきれないような雑多なあちこちの点が、博物館を見たり本を読んだりして頭の中で結びつき線になり面になり、やがて立体となって生き生きとしたドラマが展開するような物語が見えてくるのでしょう。
生命の進化というドラマだったり、大陸や島や地形の成り立ちというドラマだったり、人の歴史というドラマだったり。
多分、宇賀神先生の頭の中では、歴史上の人物でさえ、熱い息吹を持った、今まさに生きている人間として目の前に見ておられる気がいたします。
ですからこそ、あっちの博物館で見た知識と、こっちの本で見た知識がちゃあんと結びつき、知識自体が生命を持って、そのドラマの世界がますます多彩な色を輝かせてくるのではないでしょうか。
私なんて、あっちで見た知識はあっちの点、こっちで得た知識はこっちの点のまま、なかなか結びつかないですもの(T-T)
ですから、今まで博物館に行きましてもあまり面白くなく、「私、先にカフェで休憩しとくからゆっくり見ててね(^-^;)」とか何とか言っておりましたねぇ。
始祖鳥との衝撃の出会い以降、少しは博物館を楽しめるようになってまいりました。
宇賀神先生ほどではございませんが。
宇賀神先生いわく、
「だってここ(博物館)には人間の英知がつまっているんだよ!」
とのこと。
ええ子や(T-T)
なんてええ子なんや(T-T)
きっときっと、世界中の英知を、見に行こうね。
きっときっと、日本国中、世界中の英知を、遺跡を、今生きている人々も、見に行こうね。
という経緯もあり?、ちょうど去年の今頃、太平洋を渡りました。
世界最大級の博物館、「スミソニアン博物館」を目指して。
大きな大きな国、アメリカを目指して。
宇賀神先生と私にとりましては、壮大な旅となりました。
次回からは、そんな1年前を懐かしみつつ、アメリカでもやらかした珍道中(‾∇‾)、もとい、素晴らしい旅の思い出をご紹介したいと思います。
今はまだまだ世界を旅することは難しいからこそ、楽しかったアメリカに思いを馳せ、心だけでも旅してきたいと思います。
合掌