「物語を読むように。」

今日はお仕事の宇賀神先生を放っておいて、私1人で東京に弾丸日帰り旅行です。

ちょっとしたセミナーに参加しようと思って、先生にご無理を申しました。

いつものことですが、先生は快く「いってらっしゃい」とおっしゃってくださいました。

 

ちょっとびっくりしましたのは、昨日の夜そのセミナーのことで宇賀神先生と話しておりましたときに、「勉強」について先生がおっしゃった

「覚えなきゃ、と負荷をかけない方がいい」

という言葉でした。

曲がりなりにもセミナーですから、私は何かしらを学ぼうと思って行くのですが、宇賀神先生は、

「がんばらなくていい」

とおっしゃいました。

「受験生じゃないんだから」

「無理して覚えたものはすぐに忘れる」

と。

 

ちなみに私は、自分で言うのも何ですが、中学校までは優等生でした。

学年トップの成績で、高校も進学校に入れました。

それが高校生になり、クラブ活動で腰を痛めるころには学業の方もこけていたのですが、やはりどこか根っこの部分で「いい子ちゃんの優等生」でいようとするのです。

 

ですので、

「勉強はがんばるもの」

「勉強だけでなく、何でもがんばらなくては」

ということは、

「がんばれないと自分はダメな人間」

と、ついつい思ってしまいます。

 

ところが、宇賀神先生はそんな私に

「がんばらなくていい」

と、いつもおっしゃってくださいます。

そしてそれは何も勉強に限らず、日常の色々な場面でそうおっしゃってくださるのです。

「無理は無理を呼ぶから」

と。

 

かすかに優等生だった遠い記憶があるものの、本当の本当はメンドクサがりでナマケモノの私は「がんばらなくていい」と言われるとホッとします。

そうしますと逆説的なのですが、自然と「やっていこう」と思えるのです。

 

それは無理をしてがんばるのではなく、自然と前に進む感じです。

ワクワクとした興奮や期待に突き動かされるのでもなく、やらなきゃという焦燥感に追い立てられるのでもなく、明るい日向をゆっくりと散歩するように、自然と前に歩を進めていくような感じです。

 

そう言えばいつでしたか、何かの話で私が父に

「がんばるわー!」

と言ったときに、

「期待してへんよ。」

と言われ、思わず笑ってしまい、また「期待している」と言われるより逆に嬉しかったことを思い出しました。

肩ひじ張ってがんばらなくていいと言われるのは、大きくてありがたい愛情だなあと思うのです。

 

ただ、そうは申しましても宇賀神先生は本当に色々なことをご存じです。

興味のある分野も多岐に渡り、身体や病気のことから佛教、歴史、地形学、料理、電車に航空機、戦闘機や武器、妙な雑学まで、本当に難しそうーなことからめちゃしょうもないことまで、ありとあらゆる知識と知恵がその頭の中に入っています。

私は本気で宇賀神先生のことを「歩くグーグル」と呼んでいるのです。

そして、だからこそたくさんの人が、宇賀神先生に色々なことをご相談なさるのでしょう。

 

なので、宇賀神先生に

「じゃあ、どうやって先生は色んなこと覚えたん?」

と尋ねました。

すると先生は、

「物語を読むように覚えるのがいいんだ。」

とおっしゃいました。

 

「物語を読むように」

 

たしかに、私もことあるごとに先生に歴史の講釈をお聞きするようになって、歴史はただの年号の経過ではなく、その時生きた人達の人生のドラマなんだと、生き生きとした映像とともに思えるようになりました。

そしてそれは歴史だけでなく、色々な他の知識も、先生の頭の中では物語りのようにつながっています。

博物館をご覧になられても、あっちの点(知識)とこっちの点(知識)がつながって線になり、面になり、立体となってリアルに先生の頭の中で命を得て展開されるのでしょう。

ですのでどこかの博物館で見覚えた知識があちらの話に結びつく、ということが容易に起きるのですねぇ。

 

そう言えば、学年トップの成績だった中学校の頃、私はガリ勉(死語?)した記憶がありません。

私はとてもいい先生に恵まれていたのです。

その先生達の生き生きとした楽しいお話を夢中になって聞いているだけで、いい成績を取れたのでした。

今思いますと、理科という科学の授業でさえ、ドラマチックな地球と宇宙のロマンの物語のように感じていた記憶があります。

私はクジ運は悪くても、「先生運」にはめちゃ恵まれている自信があります。

って申しましたら宇賀神「先生」が小躍りして喜びそうなので、黙っておきましょう( ̄▽ ̄)♥

 

今日も富士山は綺麗でした!

nihon-bare
本日も日本晴れ!

 

さて、この記事を新幹線の中で珍しく酔わずに書いておりましたら、電話がかかってきて、東京の会員さんの飼ってらっしゃるワンちゃんのご様子が悪いとご連絡いただきました。

少し以前より、多分に胸のところに病気があると獣医さんから言われていて、ワンちゃんも合わせて先生が病者加持をお引き受けしていたのでした。

私は今日の帰りにその方の家に寄って、ワンちゃんを元気にするお手伝いをしてこようと思います。

力不足は否めませんが、こんな私でも少しでもお力になれればと、まさに祈るような気持ちで参ります。

とっても健気で可愛い、小さな命の一助となれますように!

 

合掌