目を閉じて鑑賞する展覧会

目を閉じて鑑賞する展覧会があるなんて、思いもよりませんでした。

 

4月20日に、東京国立博物館のこちらの展覧会に行ってきました。(ずいぶん昔の日づけ!)

toji-exhibition
東寺展

東寺さんって、本家本元のお寺は京都にあるから大阪の方が近いし、何もわざわざ東京で行かなくても・・・と、思わなくもないのですが。

それでも国宝の、例の素晴らしすぎる密教法具にもう一度会いたくて、また、どんな風に曼荼羅の世界が展示されているのかが見たくて、行ってきました。

(以前に東寺さんで密教法具に初めて出会ったときのお話はこちら!

⇒「密厳国土」)

 

もちろんお大師さんが唐から持ち帰られた密教法具は文句なしに素晴らしかったのですが、私にとりまして今回一番驚いた出会いは、曼荼羅(まんだら)でした。

曼荼羅とは、密教における佛さまの世界観を表した絵画で、金剛界(こんごうかい)と胎蔵界(たいぞうかい)の2種類ございます。

ご参考までに、東寺展で買い求めましたポストカードでご紹介いたします♥

少々不鮮明なのはお許しくださいませ。

mandala
曼荼羅

普通はこの2種類の曼荼羅を左右に並べて飾るのですが、正直、「これが佛さまの世界を表すのですよ」と言われましてもよく分かりませんでした。

四角く区切った中に大日如来さまを中心としてたくさんの佛さまが描かれており、またこれがこの佛さまで、などと説明されたものもございますが、よく見る実際の世界地図のように、「これが佛さまの御国の世界地図です」と言われましても「密教ではこんな風に表現しているのだなぁ(よく分からないけど)」という程度の感覚でした。

 

ところが今回の展覧会で、「後七日御修法(ごしちにちのみしほ)」の、壇の簡単な模型が展示されておりました。

後七日御修法とは、東寺さんで鎮護国家(ちんごこっか)のために、つまり国全体の平和を願って7日間に渡りご祈祷する壮大なお祈りの儀式のことを指します。

東寺さんで一番偉い方を含めて、何人もの高僧の方達でお祈りするのだそうです。

その際、大きな大きな曼荼羅を前にかかげ、その前に壇(儀式のための道具を色々並べます)を設え、お祈りなさるようです。

今回はその模型、と申しましてもとても大きなもの、が展示されてありました。

 

私の背丈よりも大きな曼荼羅が、壇の前に掲げられてあります。

そしてその手前にございます壇は、2m四方はあるような大きなもので、簡単に佛具などが並べられてありました。

もちろん展覧会ではプリントの曼荼羅でしたが、その曼荼羅と壇を前に立ちましたとき、不思議な感覚を覚えました。

 

「ああ、この曼荼羅が宇宙ですっていわれても仕方がないよな。」

という感覚が自然に沸き起こったのです。

つまり、まるで天体図を見るように、銀河の配置図でも見るかのように、「曼荼羅が宇宙(佛さまの世界)の様子を表しているんだ」と思ってしまったのです。

そしてさらに、「宇宙の地図(曼荼羅)は、そのまま宇宙そのものなんだ」とまで思ってしまいました。

自分でも不思議でした。

頭で理解したのではありません。

曼荼羅が表現している佛さまの世界観は複雑すぎて難しすぎて、どこの部分がどこの佛さまの御国で、などとは記憶できておりません。

ですが、感覚が、「私は今、宇宙(地図)を見ている。」と、思ってしまいました。

今までこれが佛さまの世界地図ですよ、と言われましても「ふーん」としか思えなかったものが、「そうやんな!」としか思えなくなりました。

 

サレンダー(降参)としか言いようがありませんでした。

 

「はい、これは宇宙地図です、これは宇宙そのものです。」と降参してしまいました。

理屈ではなく頭ではなく、心や感覚が先に理解してしまったような感じでした。

「いやもう、そうとしか思えない」と。

そして、だからこそきっと、御修法で「宇宙にお願い」するからこそ、「宇宙が願いを叶えてくれる」のかぁ、と、一人納得してしまいました。

 

曼荼羅なんて、そのよさは全然よく分からない、絵画としても別に部屋に飾りたいとも思えない(失礼!)、佛さまの世界を表しているなんて思えない、と思っておりましたのに。

なのに「降参!」と思ってしまいました。

 

そう、あれは本当に宇宙を表した図なのです。

あれは本当に、宇宙そのものなのです。

 

この感覚に出会えたのは、嬉しかったですねぇ。

 

そしてまた、今回は残念ながら国宝の曼荼羅(9世紀のもの)の展示期間には合いませんでしたが、それより3世紀ほど新しい1191年に描かれました、大きな大きな金剛界曼荼羅(本物)を見ることができました。

もちろんそれでも800年以上も前のものですから、ほとんど色ははげ落ちてしまっていて、わずかに一部の佛さま達が茶色くすすけたように残っているだけでした。

佛さまのお姿が鮮明に見えるわけではございません。

茶色のボヤけた人型の名残が一部分見えている、というような感じでした。

 

ところが、これがまたすごかったのです。

 

大昔の曼荼羅、何メートル四方でしょうか、大きな博物館の天井近くまであるような、大きな大きなものでした。

その前に立ちますと、ふわぁぁっと、溢れる光のようなものが全身に流れ込んできました。

とっても気持ちがよかったのです。

そうですね、例えて申しますなら、白熱球のような暖色の光です。

柔らかな明かりが温かみ(温度)をともなって曼荼羅から溢れ出ている、というような感覚でした。

 

「ここに立つとめっちゃ気持ちいいー。」

と思いました。

 

なので、その曼荼羅の前にずーっとずーっと立っておりました。

しかも目をつぶって。

もちろん、博物館の照明もございますが、それとは別の、その曼荼羅から溢れてくる光の感覚が、目をつぶっていた方が心地よく感じられたからです。

曼荼羅がこんなにも素晴らしいものだったなんて。(今更!?)

 

私にとりまして今回の展覧会は、曼荼羅に対する新しい感覚との出会いでした。

とても幸せでした。

 

 

本当はこの東寺展の開催中にこのことを書きたかったのですが、残念ながら6月2日に終わっていて、間に合いませんでした。

じつはこの1か月以上は、ずうっと風邪を引いておりました。

「今年の風邪は長いですよー。」

と、何人かの方からお聞きしていましたが、ほんっとうーに長かったです(T-T)

もともと一時期は咳喘息を発症し、これまた宇賀神先生に治していただいた経緯もございますためか、咳がなかなか止まりませんでした。

しかも風邪を引き始めた翌日から、仙台への出張と霊地聖地参拝を兼ねて、東北まで運転してしまったのです。

お陰で早期に治る機会を逃してしまい、大阪を出発して石川県を越えるあたりから、熱が出てしまいました。

発熱しながらハンドルを握ったのは生まれて初めてです。

去年の年末から今年の初めにかけての九州旅行といい、この1年は健康の当たり年のようです。

この勢いで宝くじに当たるんじゃないかと心ひそかに期待しております。

 

またまた綾野さんはお腹が痛くなったのでは、と、もしかしたらご心配くださっていた方々、長いことブログも更新せず申し訳ありませんでした。

お陰様でお腹の方は、お薬をいただき、また宇賀神先生にお加持いただき、お正月以来ずっと無事に過ごしております。

ご安心くださいませ。

いつもありがとうございます。

宝くじが当たりましたら、ぜひ一緒にどんちゃんパーティーをしましょうね♥

ご参加ご予定の方は、ご予約リストにお名前をご記入のうえ、今しばらくお待ちくださいませ。

私も曼荼羅を飾り、「宇宙にお願い」することに致します―!

(宝くじの前に健康を祈願しなさいよ、と言われそう?)

 

合掌