姶良警察署で無事に大金をその手に戻すことができた宇賀神先生。
めちゃくちゃホッとしたのも束の間、次はフェリーに間に合うかどうかの問題でした。
警察署の駐車場で車のナビに志布志港を登録しますと、出てきた到着予想時刻は17:20でした。
フェリーは17:55発予定。
およそ30分前の到着予定です。
そこで、志布志のフェリーターミナルに電話をしました。
「すみません、今日大阪に向けて出港のフェリーに乗船予定の宇賀神と申します。ウィズペットプランで車の車高が2.6mと高いため、出港の2時間前には来てくださいと言われていたのですが、トラブルがあり行けませんでした。出港時間ぎりぎりに到着することになりそうなんですが、受け付けてもらえますでしょうか。」
「ナビの到着予想時刻は何時になっていますか?」
「17:20です。順調に行けば、ですので、そこから少し後にずれるとは思いますが・・・。」
すると、
「15分前までに来ていただけましたら何とかなると思いますので、とりあえず来てみてください。」
と、おっしゃってくださるではありませんか!
「あの・・・ちなみに、乗り遅れた場合のキャンセル料はどれくらいですか?」
と、恐る恐る尋ねますと、
「運賃の30%です。」
と。
「分かりました!ありがとうございます!気をつけて参ります!」
と、喜々として電話を切りました。
「キャンセル料、全額じゃないって!万が一のときでも、ちょっと助かるねー。それに15分前までなら何とかなるって!」
と、心軽くアクセルを踏むことができました。
宇賀神先生が、
「あせっちゃいけないよ、こういうときに事故を起こすんだから。」
とおっしゃるので、
「大丈夫、急ぎつつ慌てへんから。頭は冷静やで!」
と、さっきもインターの降り口を間違えたのを棚に上げ、余裕ぶって返事をしました。
ですが、本当にこういうとき、お財布を落としたことでうろたえた頭と別なところでハンドルを握っていないと、危ないですものね。
「フェリーに乗り遅れたら、乗り遅れたときのこと。そしたら大阪まで陸路で帰るわー。(キャンセル料30%で済むし!お腹も何とか大丈夫!)」
と、自分で自分に言い聞かせ、再び九州自動車道に乗り込みました。
九州自動車道の桜島サービスエリアを越え(今度は急いでいたため、立ち寄りませんでした)、またあの雄大な桜島が、今度は右手に見えてきました。
素晴らしいなーと思いながら、ふと助手席の宇賀神先生の横顔を見ますと、お財布が手元に戻ってきたとは言え、何だか顔が少々こわばっておられるようでした。
「そりゃそうやんなー、一番びっくりしたのは宇賀神先生本人やもんなー。」
と考えておりましたら、さっきのコンビニでお腹を見せつつ、「大変だ!カバンが無いー!」って顔面蒼白になりながら訴えた宇賀神先生の姿が思い出されました。
あれって「ぽんぽん痛いー」ってお腹見せてるちっちゃい子そのまんまやったなぁ、と。
そしたら何だかモーレツにおかしくなってきて・・・
「あーっはっはっは!!」
と、耐えきれず大声で笑い出してしまいました。
急に何の前触れもなく女房が運転席で大声で笑いだしたものですから、かなりギョッとなさった宇賀神先生、
「急にどうしたんだ?」
気でも触れたのかな、と心配そうでした。
「だって、何かもう、めちゃくちゃおかしくて。なぁ。
旅の初めから、っていうか始まる前からJALが飛ばんくって、高速乗り口間違えて、西の宮でステッキ忘れて、島原で入院して、鹿児島であーんな大金忘れて、それが警察に届いてて。
んで、今フェリーに乗れるかどうかの瀬戸際やで。
おかしすぎるわ。すごすぎる旅やん。こんなん普通ここまで無いで。
先生も、前に勉強会で『人生でもうダメだ!って思ったときは、笑え!』って言ってたやん。そこで泣いたらあかんって。力を失くすって。『ウソでもいいから、泣き笑いになってもいいから笑え!』って前に勉強会でも言ってたやん。
そしたら本当におかしくって、めっちゃ笑けてきてん!
あっはっはっは♥」
と、何だかもう笑えて笑えて仕方がありませんでした。
宇賀神先生は横で、少々顔を引きつらせながら「ははは・・・」と、力なく笑っておられました。
「笑い飛ばす」という言葉が結構好きなのですが、本来の意味とは少し違うかも知れませんが、少々の困難など「笑って吹き飛ばしてしまえ!」といつも思います。
もちろん人様の困難を笑うことはできませんが、自分自身の身に起きた少々のことであれば、文字通り笑って吹き飛ばしてしまう力を持っていたい、といつも思っています。
宇賀神先生が勉強会で教えてくださることは色々あって、佛教や氣のお話の他に、こうして私自身の人生を「より楽しく軽ろやかに」生きていけるような考え方を、この20年余りでしみ込ませてもらえたなぁ、と、思います。
三度行き来して見た桜島は、やっぱり雄大で美しかったですよ!
たぶん一生忘れない景色ですね♥
そしてさらに、そこへ持ってきて最終最後のスパイスは、「車の燃料ランプが点滅しだした」こと!
つまり、「早く給油しないとガス欠になりますよー」と、車が教えだしたことでした。
いえいえ、分かっておりました。
志布志港に近いインターから警察署に戻ろうとした際、再び志布志港に到着するまでの距離を頭の中で計算しましたら、ガソリンが結構ギリギリになるなぁと思っておりました。
ですが、多分ギリギリ間に合う(はず!)とも思っておりました。
もうそれに賭けるしかありませんでした。
給油している時間が無いと思いました。
「前に、ガソリンのランプが点滅しだしてから50kmは走るって先生も言ってたやん。なんならフェリーの中でエンジン切った途端にガス欠になってくれてもいいから!」
と、もうただひたすら前を目指して止まることなくアクセルを踏みました。
それでダメなら、JAFさんのお世話になる(そしてフェリーに乗り遅れる)だろう!と。
そして。
ついに、志布志港到着!
時間は、17:30に、もうすぐなるところでした。
「大丈夫!15分前になってない!」
と、走って受け付けに行き、乗船手続きをしました。
何の問題も無く、すんなりと手続きしていただけましたよ♥
急いで車に戻り、フェリーに乗り込みました。
すると、私達の車がフェリーのスロープを登っている途中で、係の方が閉じる準備をし始められました。
最後の一台やったわー(ToT)
と、内心苦笑しながら車を進めました。
最後の最後は、無事に乗船!
心からホッといたしました。
しかも、お部屋はデラックスルーム( ̄∇ ̄)♥です。
めったにない、こんな機会。
なんて優雅な船旅なんだ~、と、めちゃ嬉しかったです。
そして次の日、2019年1月1日。
元旦です。
「広重ブルー」とでも言うのでしょうか。
夜明け直前の、何とも言えない青色です。
そしてついに、初日の出!
船上から初日の出を見たのは、生まれて初めてでした。
2019年が明けて、宇賀神先生がおっしゃったことがすごかったです。
「わしはますます運が向いてきたぞ!
落としたお金が戻ってきたんだ!
25年前、全く同じ金額を落としたときは戻ってこなかった。(←実話です。)
そのとき、『めったに起きないことが起きたんだから、これからめったに起きない幸運がやってくる!』って言ってたら、その年に奈良に宗教法人を設立できた。
今回は落としたけどそれが戻ってきたんだ。
あのときより、ますます幸運だぞーーー!!!」
と。
「いや、そもそも『幸運にも』忘れないでいてくれよー。」とツッコミを入れたくなりましたが、本人は至って意気揚々としておりましたから( ̄∇ ̄;)
それに、実際のところ、純粋に「氣」というものの強さから見ますと、25年前の40歳台の宇賀神先生の方が当然お強いのです。
壮年の頃にいちばん氣も充実し、70歳になられた今、年とともに氣が衰えていくことは、自然の摂理です。
ですが、それを補ってなお余りあるものを築いているかどうかは、生き方(お修行)次第なのでしょう。
そしてその生き方で、めぐりくる運命も変わります。
たぶん宇賀神先生の場合、この「明るくめげない心」が先生ご自身の人生を助け、あり得ないほどの幸運も招き寄せてきたのでしょうね。
本当に、踏まれても踏まれても死なない雑草のように。
折れたように見えても、しなっただけで、やがてまた立ち上がります。
めげない。
本当に、心が明るく強いお方です。
私自身、宇賀神先生のこの明るい強さにどれほど心を助けられたでしょう。
まっ、ですから、お金を忘れたことは棚に上げて、返ってきたんだからますます幸運なんだ!ということにしておいてさしあげましょう!
「何の問題もない♥」ですね。
↑
これ、宇賀神先生の口ぐせです( ̄∇ ̄;)
これを聞いただけで、どんな人でどんな人生だったか想像できますでしょ?
ということで、長い長い珍道中におつき合いくださり、ありがとうございました。
「お金が戻ってくるか気になって夜も寝られません!でも昼寝してました!!」などとおっしゃってくださり、先を楽しみにしてくださった方達、ありがとうございました。
また、これはある人と私だけに分かることなのですが・・・
フェリーのお部屋近くに、この絵が飾られていました。
これは以前お土産にいただいたコースターに描かれていたものと、まったく同じ絵でした。
そのお土産をくださった人(達)に、私は今回とてつもなく心配をかけてしまったのです。
いただいていたメールに返信しようと、島原の入院先の病院で
「旅先でお腹が痛くなって入院しちゃったよ!でもきっと無事に帰るから、大丈夫!」
みたいに、軽い気持ちで書いてしまいましたら、まあー、ものすごく心配してくださったのなんのって。
親戚か家族だったかと思うほど心配してくださいました。
ちょっとした現況報告のつもりが、めちゃくちゃ申し訳ないことをしてしまったと、心から反省し、また、とてつもなくありがたかったです。
涙が出るほど愛♥を感じてしまいました(^-^)
その人がくださったコースターとまさに同じ絵に、フェリーで出会うとは。
ここまで心配して、お心でついてきてくださったんだ、と、本当に嬉しかったです。
I will never forget your love♥
心より、ありがとうございました!
また、次回からのブログも楽しんでいただけますと幸いです。
人生そのものが珍道中の私たちですが、末永くおつきあいくださいませね♥
では、今日もよい夢を(^-^)
合掌