この冬休みの珍道中の続きです。(やっと再開。)
1日目の宮島サービスエリアを出発して、九州の長崎は雲仙温泉に向って運転しておりますと、何だかちょっとお腹が痛くなりだしました。
「あれー?」と思いながらもハンドルを握っておりましたが、お昼過ぎから段々と痛みを増してきて、夕方が近くなるにつれ「これは本気で大変かも」というような痛さになってまいりました。
しかもこの痛みは、身に覚えのある痛みです。
もしかしてまた・・・と不安に。
ですが、宿の宿泊予約をその日から取っておりましたので、何としてもその日のうちに到着しようと、最後はお腹を押さえながら運転する状態となりました。
やっとのことで夕食の時間もずいぶんと過ぎた頃、宿に到着。
チェックインを済ませ、とにかく夕食をいただきました。
お腹が痛いながらも何とか食べることができ、一安心しました。
ところが翌朝、目覚める頃にはもう立つのもつらいほどの痛みになっていました。
「またかー(T-T)」
この痛みは、やはり身に覚えがございました。
去年の夏に1日入院したときと、同じような感覚でした。
「朝ご飯食べられへん。」
と、宇賀神先生だけ朝食に行っていただき、私は部屋で寝ていました。
そのときから結局2日間、ほとんど何も食べられずに部屋で寝ておりました。
食事会場のスタッフの方が心配してくださったようで、何かしらの食べ物を宇賀神先生に部屋に持って帰るようご配慮くださいましたが、果物さえも食べられない状態でした。
宇賀神先生も心配して色々と手を尽くしてくださいました。
その度に楽にはなるのですが、またしばらくすると段々と痛くなってきます。
前回も入院先の病院で治療らしい治療をせず、結局は日にち薬で治ったのかな?という状態でしたので、我慢して寝ていようかと思いましたが、やはり痛みはひどく、また不安にもなってまいりました。
そこは自宅から800kmほど離れた旅先の、山の上の雲仙温泉です。
しかも私しか運転できず、うちの小鳥のぴーちゃんも車に乗せて連れていっている旅先です。
しかも4泊の予定でしたから、あと2日ほどで下山しないといけません。(その後はお正月近くで、宿は連日満室です。)
そしてその頃には寒気団(年末の寒波)も来る予定で、もしかすると雲仙にも雪の可能性があり、雪が降る前に山を下りないといけません。(うちの車はスタッドレスタイヤではないのです。)
さらに年末のその頃、救急を除いては、病院もお休みに入るところが多くなるでしょう。
ですが・・・ハンドルを握れる状態でもなく。
ふもとの病院に行こうにも、そこから20kmほど先の島原の街が、とてつもなく遠いところに感じました。
救急車という方法もあるでしょうが、小鳥の乗った車を心配で置いていけません。
毎日ご飯を替えてあげないと、小鳥は生きていけませんので。
つらいお腹をかかえて、一体どうすればいいんだろうと、なんだかその時は八方ふさがりのような心地がしたものです。
ですが、大人になるっていいですね。
実感いたしました。
何かつらいことがあったとき、たとえば子供ならお腹が痛いとき、天をあおいで「お腹痛いー!」とわんわん泣けばいいのです。
私はそんな子供の単純さ?ストレートさ?純真さ?とでも言うのでしょうか、大好きです。
泣いている子供を見れば、きっと周りの優しい大人の人が助けてくれます。
ところが自分が大人になりますと、そうやってただわんわん泣いていてもいいのですが、自分で対処する力も備わっているのも、また事実です。
自分で対処すると申しましても、もちろん人様の助けもお借りします。
自分でできることと自分ではできないことを知り、自分でできることを選んでして、できないことを人様に頼むのです。
しかも旦那さんが身体のことを治してくれる「手」を持ってくださっていると、心強いことこの上なかったです。
お腹が痛いなか宇賀神先生の手当てにより、なんとかハンドルを握れる状態にしていただき、山の上の雲仙温泉からキャンピングカーを運転して下山しました。
ネットで評判のいい産婦人科病院を探し、事前に連絡して、安静を保つためにも入院させていただくことをお願いしました。
しかも車には小鳥がおりますから、入院中も(駐車場まで)外出し、鳥の世話をする許可をいただきました。
さらに雪の心配がある日までに、何とか大阪に帰る手段をとりたい(退院したい)ともお願いしました。
親切な病院にワガママ言い放題。
にもかかわらず、こちらの痛みや不安や心配をすべて受け入れてくださり、入院を受け入れてくださいました。
そのとき病院の若い先生がおっしゃった
「どぎゃんとかして帰らんとね。」
という可愛い長崎弁?にさえ、救われた心地でした。
入院なさっている方が女性ばかりの病院に宇賀神先生がいらしても仕方がないので、「氣をちゃんと取ってきてよー!」と先生を追い返し?ました。
心配して病院近くのホテルなどに泊まられても何の意味もないですので、それならば先生にはするべきこと(湯治!氣を取ること!)をしていただきたいと思いました。
こうして、「旅先で大変なことになったなー」と思いながらも、考え得るかぎりの最善の方法をとることができました。
車で山を下り、私は安静を得られる病院に、宇賀神先生は引き続き温泉に、大事な大事なぴーちゃん(小鳥)は私が面倒をみられることに♥
暖かく心地のいい病院の部屋、清潔なベッドの上で横になれたときにはとてもホッとしたことを覚えています。
心から、ありがたかったです。
そしてこれは大いなるオマケなのですが。
この島原での病院選び、とっても素晴らしい選択をすることができました。
多分は旅先ということもあり、夏に入院したときと同様、救急で大きな手術をすることもないでしょうと勝手に想像し、できるだけ気持ち良く滞在できるような評判の病院を探しました。
お医者さまや看護師さんがお優しいとか、病院が綺麗とか、そういう不純な基準で。
結果、素晴らしい入院生活となりました。
評判通りお医者さまや看護師さん、スタッフの方々は皆さんご親切でお優しく、建て替わって2年もたっていない病棟は美しく、しかもご飯が信じられないくらい美味しかったのです。
ちょっと、あまりの豪華さに写真をとってしまいました。
このように、和食も、
洋食も、
朝ご飯だって、
どこのホテルのブレックファストですかー(ToT)と泣きたくなるくらいの美しさ、美味しさでした。
しかも、毎食出してくださる果物には必ず花が一輪添えられており、3時の手作りのおやつまであるのです。
残念ながらお腹が痛くて食欲がなく、すべては食べられませんでしたが、「おいしそう」につられて半分ほどもいただけました。
「ここだったら風邪ひいて入院したいって思っても仕方ないよねー」と、フトドキなことをついつい考えてしまうような素晴らしい病院でした。
しかも点滴の針、全然痛くなかったんですよー(T-T)
夏の大阪の病院のときは、すごく痛かったのに。
今回は痛み止めも点滴してくださいました。
そして、産婦人科ですから、生まれたばかりの赤ちゃんもいました。
ときどき泣き声が遠くから聞こえてきて、幸せでした。
廊下にいるキリンさんや、窓辺に並べられたぬいぐるみ達が、検診のために窓の向こう側に寝かされている赤ちゃんを見守っています。
よく私も一緒になって可愛い寝顔を見守っておりました。
まるで天国のような入院生活。
本気で幸せでした。
(さらに旅は最終章に(まだ)つづきます。)
合掌