NEXT – 視た時点で未来は変わる その1

皆さんは「NEXT―ネクスト」という映画をご存知でしょうか?

ニコラス・ケイジさん主演の、少し以前のハリウッド映画です。

その映画のなかでニコラス・ケイジさん演じる主役のクリス・ジョンソンは、2分先までの未来が「視え」ます。

未来が見えるだなんて何とも便利な能力だと思うのですが、それがたった2分先までだけ、という設定が面白いですね。

ほんの少し先の未来が見えることによってどんなストーリーが展開していくのかは、映画を見てのお楽しみとしまして。

 

その中で、未来を見る目を持つ主人公が面白いことを言っていました。

「未来というのは、見るたびに変わる。見た時点の未来だからだ。」

 

映画の中では単純に、主人公がある行動を取ろうとすると2分先の結果が見えて、それにより主人公は行動を変えていきます。

すると、また別バージョンの行動を取った先の、別の未来が見えてくるのです。

便利と言えば、便利でしょうか。

 

ところが宇賀神先生の場合も、少し似たようなことがよくあります。

先生の場合は霊視により、時に未来が見える(感じる)ことがございます。

ところが、ある出来事を見た時点によって、「見えてくる未来」が変わることがままあるのです。

 

実は先週、私は母の付き添いで、検査結果を聞きに大病院に行きました。

母は数年前に皮膚がんを患い切除手術を受けたのですが、そのすぐ近くのところに以前と同じような皮膚の変質がおきてきたのです。

以前に日焼け跡のしみががん化したときと同じような状態になりました。

不安になり、いつも行く近所の内科のお医者様に相談しますと、やはり診てもらった方がいいとのことでした。

前回のときもそのお医者様が「すぐに大きな病院で検査してもらったほうがいい」と、しみのがん化を発見してくださったのでした。

紹介状を書いてもらって、母は恐る恐る前回手術を受けた大病院に行くことにしました。

 

まずは大病院の生体検査に行く前に、私は宇賀神先生に、できることならうやむやのうちに皮膚がんを消すようお加持をしてほしいと頼みました。

先生は以前、母の2度目の肺がんを消してくれたことがあるからです。

ところが、先生から返ってきた返事は意外なものでした。

 

「それは、もし病院で切除してもらえるならそうした方がいい。

お母さんは前に皮膚がんも肺がんもあったからね。

その皮膚がんの場所も肺に近いところだし。

皮膚がんだって結構危ないんだよ。

皮膚なら外から取るだけだし、お加持だなんだって言ってぐずぐずしてがんの深度が増すよりも、早く取れるうちに取ったほうがいい。

その方が傷は浅いから。

だからわしは今回直接のお加持はしないよ。」

 

私は少なからずショックでした。

肺がんのときはPET検査で「99%の確率で肺がんです」とまで言われたのを消してくれたのに、しかも身内なのに、どうして、と。

なんだか見放されたような気になりました。

ですが、宇賀神先生は、

「お義母さんのためを思うからこそ、手術で早く簡単に取れるものは取ってしまった方がいい。」

と、断言なさいました。

 

私は本当に悲しかったのですが、これは宇賀神先生の長年のご経験と、普通の人にはない勘(いわゆる霊感や第6感)との両方で出された結論でしたので、納得するしかございませんでした。

普通に理性的?に考えますと、

「結果がどう出るか分からないにしろ、とりあえず手術をするにしろ、少しでも軽い手術で済むように直接お加持をしてみてくれてもいいじゃない。」

と思うところです。

ですが、時として宇賀神先生がご自身の霊感で感じられ決断なさったことは、理屈抜きにして結果的に正しかった、ということが多かったのです。

それを何度も横で目撃しておりました私は、納得するしかございませんでした。

と申しますのも、これがもし母(身内)のことでなければ、私も冷静に判断して「宇賀神先生の不思議な勘に従った方が結果的にうまくいく。」と素直に思うと感じたからです。

 

ただ、毎日のお勤め(お経を読むこと)のときに合わせてなさっている「遠隔のご祈願」では、いつも私の両親の健康をお願いしておりましたので、そちらの方は継続してくださっていました。

遠隔はしてもよくって、直接はしない方がいいとは。

私にもその違いはよく分からないのですが、宇賀神先生の中での微妙な感覚でそうご判断なさいました。

 

それで大きな病院に生体検査に行ったのが2週間前でした。

 

すると、2週間前のその検査日に、大病院で皮膚組織を取る際にお医者様が

「うーん、これはもしかたらがんじゃないかも知れませんねぇ。」

と言いだされました。

 

母は正直なところ、複雑な気持ちだったのではないでしょうか。

「もしもがんだったらまた手術を受けなくては」という不安と、

「もしかしたらがんではないかも知れない」という期待と、

「でも今回がんでないと診断されて手術をせずに済んでも、またいつがん化するかも知れないという不安を抱えたままになるのか」というジレンマと。

 

どちらにしましても、つらい話ですね。

 

ところが、家に帰り宇賀神先生に

「大病院のお医者様が『もしかしてがんじゃないかも知れません』って言わはってん。」

と伝えますと、

「あっ、わしも、それはもうがんじゃないと思う。」

と、急に言いだされました。

 

遠隔のご祈願を請け負っておりますと、そのご依頼者様の様子が分かることが多いそうなのです。

これも霊視とか霊感とかの類でしょうね。

先生は、遠隔のご祈願の際の手ごたえで、母の皮膚の変質は「もう、がんじゃないと思う」という風に、あっけらかんとおっしゃいました。

私からしましたら、

「えっ、1週間前とは180°言うことが違うやん。」

と、びっくりしたわけですが。

 

(その2につづく)

 

合掌