「日々是平穏無事」
深江のお稲荷さんから教わった、宇賀神先生の大好きなお言葉です。
「何はなくとも毎日が平穏で無事ならば、それが一番でしょう。」
という意味だそうです。
今日は先日書きました「治に居て乱を忘れず」の補足をお話したいのですが。
その記事の中で、平和で穏やかな毎日を生きておりましても、「いざ」とか「万が一」の事態を忘れてはいけないよと、宇賀神先生がよくおっしゃられていると書きました。
ちょっと面白かったのは、私の周りから返ってきた反応では、
「災害に遭ったらどうする」ではなく、
「もしここで敵に襲われたらどう応戦する」と申しますような、それこそ「天下無敵」とは真逆のものが多かったのです。
「僕も昔、(武術の)現役だったころは、ここで襲われたらこう応戦して、とかよく考えてました。」
と、コメントくださる方もいらっしゃいました。
その方はあるマーシャルアートの分野で、一時はプロにまでなっておられました。
「うーん、さすが!」
と思いました。
もちろん、それも大切です。
防犯の意識も含めて。
ですが、私は正直なところ、最近はとくに防災の意識でもって「乱を忘れず」と申し上げたかったのです。
日本は地震大国ですからね。
宇賀神先生はよく旅の車中泊先でも、
「今もしここで地震がきたらどうするか」
というようなことをおっしゃいます。
「万が一のときに出口に近く、早く脱出できそうなところか」
「もし津波が発生しそうなら、どう行けば高台に逃げられるか」
「いや、そもそも海辺の低地はなるべく避けて」
など。
「そんなパニック映画みたいなことしょっちゅう起こらへんよ~。」
と時に申し上げたくなりますが、宇賀神先生は常に常に考えておられます。
こういう思考が当たり前のようなのです。
ちなみに宇賀神先生はサバイバル道具のようなものもお好きです。
たとえば一番簡単なものですと、宇賀神先生はいつも指一本ほどの小さなライト(懐中電灯)を携行しておられます。
地震が来たときの基本的な備えですね。
ひところは小型のナイフが一体化したマネークリップを持ち歩いておられましたが、いくら地震がきてもいきなり無人島のようなサバイバル状態にはならないから、と持つのをなるべくやめてもらいました。
そしてもちろん家には水や食料、カセットコンロなども最低限は欠かさないようにしております。
そう言えば、宇賀神先生のご相談者様で、ある市の消防団の団長さんをなさっている方は、いつも「さらし」を丸々一反(さらしでしたら12m程)お腹に巻いておられます。
お若い頃からなさっていた武道の習慣だそうですが、その方が
「旅先で火事にあっても、このさらしをロープ代わりにして逃げられます。」
と、おっしゃっていました。
もちろんお部屋に入る前に非常口は必ずチェックなさるそうです。
そのさらしをロープ代わりにして逃げるには、団長さんのように相応の訓練を積まないと、まず私のような素人には難しい話です。
ですが、その方は火事の場合を除いても、色々な場面での「いざ」というときに対応する手段として、さらしを常に巻いておられるそうです。
「怪我をしたときに血止めとしても使えます。」
と、なんともサバイバルなことまでおっしゃっていました。
その団長さんは阪神大震災のときも現地に入り災害活動に従事しておられたそうですので、そのような「ギリギリ限界の現場」を体験なさった方にとりましては、備えの意識はもはや当たり前なのかも知れませんね。
また、私の父はよく乗合船に乗って海釣りに行くのですが、若い頃はよく山登りをしておりました習慣のためか、必ず食べ物を一食分は余分に買って持っていきます。
(お父さん、水も余分に持っていってくれてるかな?)
非常食はいわば万が一のときの保険ですね。
保険は、ムダになった方がつまりは「災難に遭わずにすんだ」ということですので、ありがたいですね。
そして家に帰り、翌日に美味しく非常食をいただいております。
地震や津波だけでなく、はたまた忍者だけでなく?、色々な「万が一」のための備えはあるとは思いますが、過剰にならない程度に、皆さまもお考えになってみてください。
ちなみに、万が一私が忍者に襲われましても、できる防御といえば逃げることくらいでしょうか。
何を隠そう、実は逃げ足が一番速いのは、宇賀神先生なのですが。
逃げるが勝ち?(^-^;)
そして、
「絶対何があっても自分は生き残る、と思うことが大事だよ。」
「最後の最後の本当の武器は、自己保全本能(先生の造語?)だ。」
「自分の本能を信じられなくて、どうする。」
「世の中が大変なことになったらね、自分の本能だけが頼りなんだよ。」
とは、宇賀神先生の口ぐせでございます。
やはり一番最初で最後の備えは、「心」でしょうか。
「構え」とも申しますね。
以前、何かの折に不安を感じておりましたときに、私は佛様から一言だけ教えていただいたことがございます。
「真の武器は、ここ(ハート)にある。」
と。
♥
合掌