人の欲

先日、うちの近くの白龍大神さま(白龍さん)のお話をこのブログでご紹介いたしました。

その次の日に白龍さんにご報告かたがたお参りに行きますと、と申しますより、お参りに行く前から、白龍さんの喜ばれているお気持ちが伝わってきていました。

「嬉しい」というお気持ち(念波?)が、白龍さんから届いているのが離れていても分かるのです。

とっても可愛らしい神様ですから、子供のように喜んでくださっているのが、ひしひしと伝わってきました。

「やっとボクのことを紹介してくれたか!」

といったところでしょうか?

 

そんな風に素敵な白龍さんなのですが、とてもとても残念なことに、その白龍さんのところに設置されておりますお賽銭箱が、ちょくちょく壊されております。

金属性の細長い筒が地面から直接立っていて、それがお賽銭箱なのですが、その足元の扉はほぼ半開きになっており、鍵もあまり機能していないようです。

近所のお店の人が、

「お賽銭箱はよく荒らされているみたいです。」

と、おっしゃっていました。

 

本当に悲しいことですが、

「神様にも人間の欲は止められないよ」

というお言葉を、深江のお稲荷さんから宇賀神先生がお聞きになったことがございます。

それは以前、うちの車(サンダース号)が、車上荒らしにあったときのことでした。

 

じつは、サンダース号には、とある神様が乗ってくださっています。

私はこの神様のお陰で、サンダース号を乗りこなせる?ようになりました。

ですが、そんな神様が乗ってらっしゃるサンダース号でさえ、車上荒らしにあいました。

そのときに、深江のお稲荷さんが、さっきのお言葉を宇賀神先生におっしゃったのです。

「だって『賽銭ドロボウ』という言葉が存在するだろう?

神にも、人間の欲はとめられないんだよ。」

とのことでした。

 

なんとも悲しいことですね。

ですが、ドロボウをするような心も現実として人間の中に存在します。

良し悪しは別として。

 

そうかと思えば。

また別の日に白龍さんにお参りに行きますと、前にタクシーが停まっていて、どうやら運転手さんらしき人が白龍さんのところのお掃除をなさっているようでした。

もしかして白龍さんのお守をなさっている方かなと思いまして、縁起などお聞きしたいと思い、思い切って声を掛けてみました。

すると、その方はなんとボランティアで、自主的に

「散らかって汚れていたらここの神さんが気の毒で。」

と、縁もゆかりもないけれどお掃除するようになられたのですって。

 

お賽銭箱の鍵が壊されていて、お金を入れても壊れた扉からコロコロと硬貨が転がって出てきてしまい、お賽銭をどこに入れたものか迷うのです、とお話しますと、

「そうなんですわ。

ここはよう荒らされてましてね。

この間も若い子らが鍵壊してるの僕見ましたわ。

万が一お賽銭がこぼれてたら、僕がいつも掃除するときに、ここの神さんの持ち主さんにだけ分かるようなところに隠しとくんです。

ここの持ち主さんは、時々遠くからタクシーで来てお世話したはるみたいですわ。」

と、その方はおっしゃいました。

 

奇特な方がいらっしゃるのですねぇ。

私は、

「お陰様で、気持ちよくお参りさせていただいております。ありがとうございます。」

と、感謝の気持ちをお伝えしました。

 

ドロボウをするのも人間の自然な心の働き(の一部)でしたら、

この運転手さんのように、神様のお掃除を全くのボランティア精神からなさるのもまた、人間の自然な心の働き(奇特な人の)なのですね。

時代劇の「鬼平犯科帳」で、鬼の平蔵様がおっしゃった、

「人間ってなァな、不思議なもんだな。

いいことをしながら悪いことをし、

悪いことをしながらいいことをするんだ。」

というセリフを思い出してしまいました。

 

宇賀神先生はこのことを、

「人間は、偉くなくもない。」

という風におっしゃっています。

ちょっと変わった国語の表現ですが。

 

また、宇賀神先生は、

「神様は、人に拝まれてこそお力を得られる。

人に拝まれなくなった神様は、段々とお力もなくなるんだよ。」

と、おっしゃいます。

 

なかには、地質学的な巨大なエネルギー(例えば日本列島を横断するような断層のエネルギー)から生まれた神様もいらして、そのような存在の方達は、もしかしましたら拝まれなくても大きなお力をお持ちだとは思います。

ですが、少なくとも、この白龍さんのような存在の神様は、人に拝まれれば拝まれるほどお力も増すようですね。

逆に、忘れ去られてしまった神社の神様などは、悲しいことになります。

 

白龍さんは本当に小さな祠の神様ですが、あんな奇特な運転手さんがお掃除していらしゃいますし、実は隠れファンが多い神様なのかも知れません。

と、またこのようなことを書いておりますと、白龍さんの

「えっへん!」

という得意げなご様子が見えてきますよ。

また明日、ご報告かたがたお参りに行かないといけませんね?

ぴかぴかの100円玉、お財布の中にあるかどうか確かめなくっちゃ。

 

合掌