今日は加持祈祷や氣とは何の関係もないお話ですが。
私の見解ですが、宇賀神先生には外国語をお話になるような言語能力は無いとお見受けしていますが、それでも何故か外国の方と意思疎通してしまうような「意思伝達能力」は、高いものをお持ちだと思っております。
先生ご自身では「わしのは英語力じゃなく“単語力”なんだよ。」とおっしゃっています。
これは宇賀神先生と私が出会います少し前のお話ですが、先生がお一人で台湾にご旅行なさったことがあるそうです。
台湾の華西街と申します地区の龍山寺にお参りなさったあと、ふらふらと夜の屋台を飲み歩き、ホテルに帰ろうとなさっていました。
台湾では露店の屋台で皆さん普段からご飯を食べなさるそうです。
夜道を歩いておられますと、少し離れた後ろを何人かの黒いナイロンジャンバーを着た人達がついてくるようでした。
その日は暑い夏の夜でしたから、夏にナイロンジャンバーなんてヘンだな、と怪しげな気配を感じられたそうです。
やはり、どうも後をつけられているような気がしておりますと、大通りから少し暗い道に入りましたところで、その人達が宇賀神先生をぐるりと取り囲みました。
そして突然大声でワァワァと何かしゃべりながら、“おしくらまんじゅう”のように数人がかりで身体全体を使って先生を細い路地に追いやろうとしました。
「これは屋台でわしの財布を見て、盗りにきたんだな!」
と思われ、とっさに一人の人を突き飛ばし、ダダッと走って壁を背に立たれました。
20年近く武道をなさり、お若い頃はケンカも(あまり大きな声では言えませんが)たくさん経験なさった先生です。
1対多数での立ち位置に、とっさに移動なさいました。
そして都合のよいことに、昼間に台北駅の2階のデパートで購入しておりました、なんと折り畳み式ヌンチャク!をウエストポーチから取り出し、ブルース・リーよろしくビュンビュン振り回され、ピタッと脇にはさんで止められました。
折り畳み式と申しましても、ずっしりと重い金属製です。(まだ家にあります。)
こんなヌンチャクで叩かれましては、相手の方はちょっと怪我をしてしまいますね。
長年なさった空手ではヌンチャクも練習したんですって。
ですが、カンフー映画のようにヌンチャクを振り回し、ピタリと構えを決めましたものの、ここで何かひとこと言わなければ!
残念ながら台湾語は話せません。
そこで口をついて出ました言葉が、
「アイアム、カラテ・マスター!
ドント・タッチ・ミー!!!」
・・・相手の人達は一瞬お互いの顔を見合わせ、ワッと一目散に飛んで逃げてしまったそうです。
どうですか、とっさに出ましたヌンチャクにこの英語!
さぞ相手の人達は驚いたことでしょうねー。
そして確かに、英単語を並べて、でもちゃんと通じてます。
英語が喋れない人はこの単語がとっさに出てくるのも難しいようなのですが、宇賀神先生は確かに“単語力”に優れていらっしゃると思います。
このとっさの場面で的確なセリフ(in 英語)がよく出てきましたこと!
お若い頃はケンカ慣れしていらっしゃいましたので、あまり怖くなかった、というのも助かりましたね。
もしかしたらその台湾の人達は先生の英語を理解したわけではなく、ただたんにヌンチャクと凄い迫力に驚いただけかも知れません。
宇賀神先生が後でお聞きになったそうですが、黒いナイロンジャンバーに黒ズボン、白シャツのいで立ちは、台湾の“黒社会”(日本で申しますところのヤクザさんですね)の証だそうです。
ちなみに私は少しは英語が話せます。
小さい頃から英語が好きでした。
ですが、もしこんな窮地に陥りましたとき、とっさにこんな風にセリフが出てくるかなぁ、と思います。
いえ、もしかしたら日本語でだってうまく話せないかも知れません。
怖さが先に立ってしまいますと、頭が回りませんもの。
いくら宇賀神先生がケンカ慣れしていらしたとは申しましても、この窮地に、しかも外国語で、すごみつつ適格に物事を伝えて、しかも人を(自分の思うように)動かすなんて、ちょっと普通はできないと思います。
やはりこれは、言語能力ではなく、意思伝達能力と言えませんでしょうか。
おまけに、こんなすごい体験をなさりながら、後に私と結婚しまして、この話をしてくださいました際に、
「ところでわしの話した英語(単語)、意味は合ってるんだよね?」
と聞いてこられたときにはびっくりしました。
そんなんも知らんとしゃべっとったんかー( ̄∇ ̄;)
さすが本能の強い人は、自覚がなくても生き残るための正しいこと?をちゃんとしてしまうようですね?
いえいえ、アナタ様はそれでいいのですよ!
その生き力の強さこそが、宇賀神先生の先生たるゆえんです。
ただひとつだけ残念なことには、宇賀神先生の意思伝達能力が一番発揮されませんのは、夫婦間の会話のときなのです!
先生いわく、「ジェネレーションギャップが原因だよー。」とのことですが、もうちょっと話が通じるといいよね?
相変わらず、都合が悪くなりますと出てくる英単語です。
先生、がんばってー♥
合掌