昨日のお話の「霊臭」で、一つ思い出したことがございます。
数年前に、うちで突然タバコの臭いがしたことがございました。
霊臭のタバコの臭いは何度か経験したことがありましたが、何だかちょっと種類の違う臭いでした。
「これ、タバコかなぁ、それにしてはヘンに焦げくさすぎて、金属かタイヤが焦げるみたいな・・・でも・・・」と迷いました。
不思議に思い、宇賀神先生にその臭いの様子を説明しますと、
「ああ、それは昔の、戦後くらいの安物のタバコの臭いだね。
ゴールデンバットっていう安いタバコがあったんたんだけど、多分それ。」
と、おっしゃいました。
うーん、何でそんな(私が生まれてもない)古い時代の、と考えますと、ふと、その日の2日後は何十年も前に亡くなりました、私の父方の祖父の祥月命日でありますことを思い出しました。
(私の実家は、あまり大々的に法事などしないのです。
私がお経を読んで法事の代わりをするくらいです。)
ですが、その祖父が生前アルコールを好んで飲んでいたことはよく聞いておりましたが、タバコを吸っていたとは一度も聞いた記憶がございませんでした。
ですので、父にメールしました。
不思議ごとはなかなか信じられない父ですので、
「ひょんなことをお伺いしますが、大阪のおじいちゃんはタバコは吸ってはりましたか?」
とだけ尋ねました。
すると父が返信してくれました。
『親父はお酒だけでなく、タバコも良くのんでいました。いつもは一番安い「バット」です。
年に一度程、値の高い「缶入りのピース」をのんでいました。子どもながら、その缶はとてもよい匂いがしていました。
旅行に行く時はタバコを、横に並べて10本程入る「金属製のタバコ入れ」に入れて行きました。私はそのケースに彫ってある「ペンギン」の模様も好きでした。60年程前のことですが、良く覚えています。
今週土曜日が親父の「50回忌」です。思い出させてくれて有難う。。』
と。
どんぴしゃり・・・!
タバコの銘柄までぴったし!当たっていました。
しかもちょうど50回忌だなんて!
かいだこともないタバコの臭い(しかも現実のものでない)を、私がこんな感じの臭いがしていると軽く説明しただけで、それが古い時代のどの銘柄の、ということまでピタリと当てられて・・・本当に驚きました。
これが「霊感」なのですね。
多分、私がタバコの臭いに関する説明がちゃんとできたわけではなく、宇賀神先生が私の話をお聞きになった“感触”で、この臭いが何に由来しているとピタリと当てますのが、霊感なのです。
また、それとともに霊感を知識と結びつけられる、というのも判断するときの大事な要素なのでしょう。
私はバットもピースも知りません。
時代の違いで当然と言えば当然かも知れませんが・・・ですが、宇賀神先生は、ご自身が生まれてらっしゃらない戦時中の焼夷弾の燃料までご存じでしたから。
やはり、ありとあらゆる方向に興味のアンテナが向いている、というのは大事かも知れませんね。
とにかくその時は、あまりにもピタリと祖父の存在だと分かりましたので、意を決しまして、不思議ごとを信じられない父に伝えました。
「うちで、するはずのないタバコの臭いがして、先生がそれを“バット”の臭いだ、とピタリと当てられました。
多分おじいちゃんが50回忌をしてほしいって私に言ってこられたのだと思います。
そちらの家で先生にお経を読んでもらって、お父さんたちと私たちだけでも法要をしてもいいですか?」
と。
もちろん父は賛成してくれました。
父は、父の姉にも声をかけてくれましたが、都合がつかず、来られませんでした。
そして宇賀神先生がお経を読んでくださり、両親と私たちの4人だけで50回忌の法要をしました。
お供え物としまして、ご飯だけでなくタバコの火までつけて、ご供養いたしました。
その時私は生まれて初めて(火をつけるために)タバコを一口吸ったのですが・・・まあー、すさまじくヒドイ経験でございました。
なんであんなのが美味しいの、おじいちゃん(T-T)
ですが、会ったこともないおじいちゃんから「法要してくれ~」とタバコの臭いで連絡を受け、ちょっとは孝行できたかな、と嬉しかったです。
合掌