気合い術 その2

宇賀神先生が横向温泉で初めて人様のお身体を治された方法は、「氣合い術」でした。

 

“気合い”って、どういう仕組みなの?と尋ねられましたら、それを言葉で明確に表すのは私にも難しいのですが・・・。

人は本能で気合いをかけますよね。

今の科学ではどのような計測器をもってしましても“気合い”の度合を測ることは難しいと思われますが、人は自分の持っている力を最大限出したいときに自然と気合いをかけます。

例えば言葉では「えいっ!」とか、「よしっ!」とか、自然に掛け声が口をついてでてきます。

特に武術武道をなさっておいでの方は、その感覚がお身体にしみついていらっしゃるのではないでしょうか。

宇賀神先生も当時はすでに19年以上いろいろな武術武道をなさっておいででしたから、自然と気合いをかけてしまったそうです。

 

そして、宇賀神先生はその時、先生ご自身の気合いのエネルギーが他者に変化を与えるほどまでに強かった、とでもご説明すればよろしいでしょうか。

日本ターザンに「氣」という概念を教えていただいて以来、ずっと氣を高めることを追い求めてきた先生です。

長年高めてきました氣が臨界点を超え、日本ターザンのおっしゃった“そのコントロールの範囲内”が、ものすごく多くの他者を巻き込むくらいまでの大きさになったのでしょう。

ですので、身体の仕組みを知らなくても、人様のことを治したことが一度もなくても、なぜか自然と「気合いをかけた」ら治った、そうです。

 

まさしく、本能で治してしまったとしか申し上げようがないですね。

 

そう、本能。

我ながら実はこれがぴったりのご説明ではないかと思われます。

頭で考えたのではなく、例えば野生動物がけがをしましたときに本能でなめてその傷を治しますように、宇賀神先生は身体が勝手に動いて本能で人様を治してしまったのです。

やはり“野獣の回復力”ではありませんが、先生のお力の源はどこか野生や本能と呼ばれますものに近いものがございますね。

 

今現在ではもちろん、命の原初に近いところからのエネルギーを使いまして、神佛の高みの御力もいただきながら、お加持しておりますけれど。

 

横向温泉で痛いところを治してもらったお年寄り達は、口々に

「あんちゃん、あんたのその力はすごいよ」

とおっしゃってくださったそうです。

「わしらはどこの医者に行っても治らんかったから温泉にきてるんだ。

でも、温泉でもそんなに治らんからね。」

皆さんからそのように感謝され、宇賀神先生ご自身が「本当に治ったんだー」と不思議に思いますとともに、とてもとても嬉しかったのだと思います。

 

宇賀神先生がご自分のお力を自覚なさり、もっと氣や人の身体について知りたいと勉強を始められましたとき、初めて「氣合い術」という言葉を知られました。

氣合い術は、古くは飛鳥・奈良朝時代から日本にあったと言われております。

近年では氣合い術で有名な方に、浜口 熊嶽(はまぐち ゆうがく)さんがいらっしゃいます。

彼は明治から昭和にかけて生きた人ですが、彼が「エイッ!」と気合いをかけますと、なんとホクロがポロっと取れたり、赤ちゃんのための母乳が出なかった方が急に出るようになったりしたそうです。

宇賀神先生とは違い、彼は終生、氣合い術だけで人を治されました。

 

横向温泉での出来事の約1年後、宇賀神先生がこのお仕事を始められましたとき、先生は氣という概念はご存じでしたが、その頃流行りだしておりました“気功”という言葉をご存じありませんでした。

来られたご相談者様に

「先生のこの施術は“気功”ですよね?」

と尋ねられ、初めてその言葉を知られたくらいです。

今では気功という言葉も世に浸透しましたが、宇賀神先生のお力は広範囲なため、気功という一言に集約しきれないな、と申しますのが本音です。

だって気功だけでは会社を倒産から助けるとか、霊を成仏させる、とかできませんものね?

だからというわけではございませんが、先生は人様から「これは気功ですよね?」と尋ねられましたときには、

「わしのは気功(きこう)じゃないよ、効く(きく)んだよ。」

とおっしゃっています。

はい。

いつもの大好きなダジャレでございます。

残念ながら、先生はこの方面には天性の才能はなかったようです。

ですが皆さま、先生がダジャレを嬉しそうー( ̄∇ ̄)におっしゃいましたら、何卒その広~いお心で笑ってやってくださいませね。

 

合掌

 

(追伸:この原稿をチェックなさった先生が、「わしにダジャレの才能、あるよー!!」と本気で抗議なさいました。うーん、まあ、人の意見はそれぞれですね。)