湯峰温泉は“よみがえりの湯” その4

今日はいよいよ、湯峰のお不動さまについて。

実は私たちも長いあいだ湯峰温泉に通いながら、そして東光寺さんに必ずお参りもしておきながら、湯胸薬師さまの横にいらっしゃるお不動さまには気づかずにおりました。

普通にお参りさせていただく位置からは、少し見えにくいのです。(いいわけですね!)

 

あれは忘れもしない数年前の3月27日のことでした。

翌日の3月28日が、東光寺さんで年に一度のお不動さまのお祭りを行われる日だということでした。

いつもはお不動さまをお薬師さまの脇にお祀りしていらっしゃるのですが、その日は翌日のお祭りのためにお不動さまをお薬師さまの前に出されていました。

もう手で触れることもできますような距離です。

その時はたまたま私たちの友人を連れて湯峰に行っておりましたので、東光寺さんを拝観させていただきましょうと、中に入らせていただいたのです。

ご住職さまが、お薬師さまとお不動さまのご説明をしてくださいました。

 

東光寺さんは天台宗のお寺さんです。

ですがこのお不動さまは、真言宗の東寺さんの仏師であられた方が作られたとのことでした。

長いあいだ熊野本宮大社さんのほうに祀られていらしたそうですが、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく・日本では神様と佛様を別々にお祀りしようとしたこと)の運動などにより、今では東光寺さんに祀られておいでです。

熊野は過去に大雨により川が氾濫し、熊野本宮大社さんもその洪水により流されたこともございますので、お不動さまの詳しい資料なども消失してしまったそうです。

 

お不動さまの経緯がどのようなものでありましても、直接お会いさせていただきまして、その凄さに驚きました。

まず、何と申しましても、超!美形!!

めちゃくちゃ美男子でした。

普通お不動さまは憤怒の相(ふんぬのそう)と申しまして、怖く怒ったお顔をなさっています。

それが、まあ、確かにお顔もお身体も普通のお不動さまのように青黒いのですが、怒ってらっしゃるかどうかなど気にもならないくらい凛々しいお顔です。

ちょっと見惚れてしまいます。

 

そして何より、そのお不動さまから来るエネルギーの凄いこと凄いこと。

まるで心臓が鼓動を打つように、ドクンドクンという脈打つようなエネルギーの波がお不動さまから来るのが分かりました。

ちょっと横に立っていますと、鳥肌が立つくらい。

「ええーっ、どうして今までこの凄さに気づかなかったの!?」

と、気づかなかった自分が情けなくなるほどのエネルギーでした。

あるいは、翌日がお祭りの日でしたので、お不動さまもとてもお喜びだったのかも知れません。

「明日は私が主役だー!」って。

 

神様や佛様から感じますエネルギー(と呼ぶのが適切かどうかは分かりませんが)にも色々な感じ方がございましたが、湯峰のお不動さまのように生きていらっしゃるかのような脈打つような、ある意味生々しいタイプは初めてでした。

やはり如来様や菩薩様よりは人間に近い明王様の部に属されているせいでしょうか。

 

いずれにしましても、またまた惚れっぽいワタクシは内心ひそかに恋に落ちたのでした♥

翌日のお不動さまのお祭りには心から参加させていただきたかったのですが、どうしても予定があり、参加できませんでした。

それだけが心残りです。

お祭りで嬉しそうになさるお不動さまを見たいなーと、あの日以来、3月28日が休日で湯峰に行けはしないかとカレンダーを見るのですが、なかなかその幸運には巡り合えていません。

 

*****

 

湯峰温泉に通い出しましてから14年がたち、宇賀神先生はよみがえられました。

お身体のご病気からも、お心のご病気からも、そして人生の窮地からも。

今は糖尿病の数値も正常値で安定し、失いました片目は戻ることはありませんが、もう片方の目は助かりました。

残ったほうの目の視力は眼鏡をかけましても14年前には0.4でしたが、今は視力までも回復し、0.7です。

調子のいい時は0.8まで上がっていました。

宇賀神先生も私も、湯峰の温泉の力と、湯胸薬師さまとお不動さまのお力とを、信じています。

お蔭様をいただきまして、先生は復活なさいました。

ですので今でも日を見つけましては、私たちは湯峰温泉に通っております。

 

先日“その2”でご登場いただきました、宇賀神先生のことを「この人は小栗判官」とおっしゃった湯峰温泉の番台のおじさんは、今ではもう職を退かれましたが、ご近所にお住まいですので毎日温泉に入りに来られているそうです。

ありがたいことに今でもお会いしますと、

「おっ!おかえり!」

と、お声をかけてくださいます。

感謝、感謝です。

 

合掌