野獣の回復力 その1

宇賀神先生は日頃から、ご自身のことを

「野獣の回復力」がある

と、おっしゃっています。

 

実は宇賀神先生は、人様の病苦を取り除くお仕事をなさっていながら、先生ご本人も生活習慣病の大家です。

若い頃から無茶苦茶な生活をなさっていましたからね。

 

極めつけの病気といえば、新婚ホヤホヤ2か月目で脳梗塞になられたことでしょうか。

左半身のマヒが起こりました。

その日はお一人で伊丹の方へ出張なさっていて、朝出かけられる前から何だか調子がおかしい、ふらふらする、とおっしゃっていました。

 

お仕事が終わり、夜、帰り道の十三駅近くの居酒屋さんで飲んでおられたとき、ついに立ち上がれなくなったそうです。

家にいた私に宇賀神先生から電話がかかってきました。

何かがおかしいんだ、でもとにかく家に帰るから、と。

これだけ人様のお身体のことも見ていますのに、そしてこのようなとき、人様には即・病院に行くようにとその場でアドバイスなさったこともありましたのに、いざご自身がなりますと、いえ、脳の病気のためか余計に、判断が鈍りました。

しかも電話の向こうでとても怒ったように話されるのです。

今思いますと、その理由もなく変に怒っていましたのも、病気のせいだったかも知れません。

 

帰ってこられる宇賀神先生を駅まで迎えに行こうとしましたら、ステッキがくの字に曲がってしまって、それを支えに歩いていらっしゃる宇賀神先生の姿が見えました。

左半身に力が入らず、ステッキで体重を支えながら1時間の道のりを自力で帰ってこられたのです。

どれだけそのステッキを頼りに歩いて来られたのでしょう。

びっくりしました。

 

そして病院に行こうとすすめましても、怒って言うことを聞きません。

救急センターに問い合わせたりして、症状からしてやはりすぐに病院に行ったほうがいいと言われましても、どなるように怒って、ガンとして言うことを聞かないのです。

「わしは深江のお稲荷さんの近くにいないといけない。治してくださるから。」

と、訳が分かるような分からないような理屈をおっしゃっていました。

「神様の御力は距離に関係なく届くよ」

と申しましても、先生の耳には入りません。

病気のために正しい思考ができなくなるということに、そのとき私は気づきませんでした。

今思いますと、あの時は無理やりにでも救急車を呼ぶべきでした。

 

そして愚かにも一晩家で過ごし、翌朝やっぱり身体が思うように動かないと、病院に行きました。

病院でMRIを撮られ、脳梗塞が起きている、と告げられました。

しかも梗塞を起こした場所は脳幹のすぐそばで、あと1ミリでも脳幹に入ってしまえば、その瞬間に呼吸が止まって死ぬと言われました。

「今から点滴する薬は、通常なら梗塞を起こしてから4時間以内に打つべきものです。それが12時間以上たっているわけですから、これが有効に作用する保証がありません。しかも悪くすると脳内出血を起こす可能性もあります。」

と病院の先生に説明されました。

 

そして、「最低2週間の入院です」と言われました。

お医者様の前で車椅子に乗せられていた宇賀神先生は、

「いえ、仕事がありますから、3日で退院します」

と、ろれつも回らないくせにエラソーに言います。

するとお医者さまは、

「そんなの責任持てません!それなら帰ってください!」

と怒られました。

宇賀神先生が、

「じゃ、綾野さん、帰ろっか」

と、立とうとなさいましたが、当然立てません。

「ほら、立たれへんやんか。ちゃんと入院しよ!」

と言いますと、しぶしぶ

「じゃあ、さしあたり入院します」と。

負け惜しみに“さしあたり”という言葉を使われたのが、せめてものムナシイ抵抗でございましたねぇ。

 

(その2につづく)

 

 

合掌

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ありがとうございます♥

2件のコメント

  1. 先生がどのように回復されたのか、とっても気になります(o^^o) 野獣なんて(笑)

    先日の イチゴジュースを飲んでいる先生、幸せそう💗ですね。お宝写真 ありがとうございます(*^o^*)

    1. お宝写真の押しつけをお受け取りくださりありがとうございますー!
      温かいコメントに感謝感謝です(^-^)

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